藝大入試論考 建築科

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【特集】2018夏期講習まとめ

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夏だ〜〜〜!

 

受験生の夏はアツい。各予備校が講習を詰め込み、入試直前期並みにまとまった期間実技漬けの日々を送ることになるだろう。普段学校で忙しい現役生も、ここぞとばかり打ち込んで化けるタイミングだ。下半期の努力の方向性を定めるという意味では、"受験の天王山"も強ち誇張ではないだろう。

予備校のカリキュラムが、本格的に受験課題にシフトし始めるのもこの夏期講習である。予備校に通っていない人は、ぜひ大手の所でまとまった講習を受けてみるといい。ほかの受験生が何をしているかが掴めるだろう。また、既に大手予備校に通っている人も、他予備校の視察に行くことを勧める。自分の予備校とは違う指導内容や風潮を味わうことで、より広い枠組みから自分の立ち位置を考えられるようになるからだ。各所秘蔵の参考作品を見に行くだけでも価値がある。もしかしたら、今の予備校より合っていると感じるかも知れない。今年の合格者を見ても、浪人して予備校を変えた人、季節講習はフルに他予備校にいた人、そうでなくても模試や数日の講習を見逃さず、地方から宿を借りてでも積極的に外部に足を運んだ人が多い。

やや時期が遅れたたが、以下に各予備校の夏期講習トップページをまとめた(カッコ内は今年の最終在籍合格者数)。各々よく考えて、よく動いて、最高効率の夏を過ごしてほしい。作業だけに終始せぬよう、適度に休日をとって思考をリフレッシュすることもまた要である。

 

 

湘南美術学院(5)

もともと立体と想定デッサンだけだったが去年は後半2ターム食い込んだ受験課題、今年は1ターム後退。"基礎力"を崇めるショナビは原点回帰の機運か。さらに従来セットだった夜の講座は(受験生の体力を考えてか)一掃されている。満を時して受験課題の8/20〜25のタームはなぜか他予備校一つとも被っていないので、皆さん建築科最強予備校に足を運んでみては。ゆるゆるの雰囲気と大量の参作が、夏前半で疲れたあなたをお出迎え。

 

ふなばし美術学院(3)

今年躍進、千葉のダークホースは個性的なカリキュラム…静物・室内・建写と各種デッサンを通して描写を究めた上で最終日に総合表現、という6日セットが3ターム。実際のモノを描くということに足をつけながら実直に想定課題を見据える、飽きにくく合理的な組み立てと言える。

 

代ゼミ造形学校(2)

建築科伝統の名門予備校は、昼総合表現+夜空間構成の受験課題ガチコース2週に挟まれた、"思考を鍛える造形的課題"2週が特徴的。立体スタディ重視の機運のなか、始めと終わりでエスキス力の底上げを実感できそうなカリキュラムだ。ただ、7/16〜昼って…現役誰が行けるの…。場所が近ければ、夜だけ行くのもアリ。

 

河合塾美術研究所 名古屋校(2)

河合塾美術研究所 新宿校(1)

名古屋校はデッサン〜空間構成1週、総合表現1週の控えめで正統派なカリキュラム。新宿校はそこに受験課題がやや押し負けて選択で立体構成が入るのと、初めに初心者用基礎デッサンが1週。8/26〜28のこれまた被りのない最終タームはデモストを呼んで実践的な受験課題、他予備校生も狙い目の3日間。

 

御茶の水美術学院(1)

名古屋河合に似て、各種デッサン1週+受験課題1週と控えめ。その中で総合表現では2回デモストが来るそうで、密度の高い講習になりそうだ。

 

すいどーばた美術学院(1)

1週目で立体〜総合表現、2週目ではドローイング〜建写。2週とも終わり2日にくっつく「建物見学」なるカリキュラムが目を惹く。素材と造形に触れたのち、実際の建築に立ち返ってそれを描くことを考える、これはこれで合理的な組み立て。

 

新宿美術学院(0だが平年1〜)

去年の反動か今年は萎んだが、こちらも大手。デッサンや写生を挟みつつ、立体+総合表現で造形力を鍛える3週間。

 

 

おまけで、講習期間を一覧できるカレンダーを作った。線一本が1ターム(登録単位)。予備校を股にかけるときの参考にしてほしい。

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(大西)